エドワード・ホッパー(Edward Hopper)は、20世紀を代表するアメリカの具象絵画の1人。
1882年にニューヨーク州ロックランド郡のハドソン川の川岸に開けた街、ナイアック(Nyack)に生まれ、商業美術の学校に進んだのち、ニューヨーク美術学校(New York School of Art)で絵画を学ぶ。
アシュカン派(ごみ箱派、アッシュカン・スクール)の指導的画家であるロバート・ヘンライが、同校の教師であり、エドワード・ホッパーの独特なアメリカン・ライフの写実的描写はその影響とされる。
1925年に制作された「線路脇の家」はホッパーの初期の作品の一つで、その後の彼のスタイルを決定づけた作品である。
また、この作品は、モダンアートの殿堂、MOMA(ニューヨーク近代美術館)の輝かしきコレクション第1号となった記念すべき作品としてもよく知られている。
都会の街路、オフィス、劇場、ガソリンスタンド、灯台、田舎家などアメリカ人には見慣れた都市や郊外の風景を、大胆な構図と色彩を明度対比させ、さらに強調した輪郭線で表現した彼の作品は今日のアメリカでも根強い人気を誇っている。
そんな彼の作品の中でも秀逸な1枚が、Nighthawks “ナイト・ホークス”「夜更かしの人々」である。
人の通りが途絶えた深夜の街に、唯一光を溢すダイナー。
そこには年老いた店員とカウンターに座る訳ありの男女。
少し離れた席には一人の中年男性が…。
エドワード・ホッパーの作品の中で最も著名なNighthawks「夜更かしの人々」の光景には、当時の街の孤独をかいま見ることができ、今なら夜更けのコンビニエンス・ストアといったところだろうか。
これを読んでいる、あなたも「孤独な夜更かしの人々の一人かもしれない。
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