「インド」という言葉からガンジス川で沐浴するインド人の姿を思い浮かべたのは、はるか昔になろうとしている今、最近のニュースで報じられているように、IT産業を中心としてダイヤモンドの取引、車産業とインドの経済発展はめまぐるしいものがあり、GDPも世界第10位にまでなっている。
そんなインドに古くから伝わる伝統的なたばこを試してみる。
ムガール帝国の影響を色濃く残す北インドエリアでは、カシューナッツやアーモンドなどの豆類と生クリームを使った、こってりとして豪奢な宮廷料理の流れを組んだカレーが特徴で、イスラム王朝の名残りもあり、肉食や乳製品もポピュラーで食後にチャイを楽しむのもこのエリアである。
スパイスは、ガラムマサラをはじめとしてシナモン、クローブ、ナツメグなどが多用され、ナン、チャパティ、パラータなど小麦で作ったパンが主食。日本のインド料理レストランは、この北インドエリアの料理を出す店が大多数である。
大都市ムンバイのある西インド周辺は、ベジタリアンの多い土地柄で、野菜や豆を使った、あっさりとしたカレーが特徴で、素材の味を生かすことが好まれ、主食はパンとご飯の両方。
ガンジス川のある東インドエリアでは川魚が好まれ、苦味のある野菜を食べてから、豆、野菜、魚、肉、デザートの順に食べる習慣が今も残っている。カレーにはナッツ類の代わりに、けしの実やごまを多用し、主食は米が多く、イスラム国バングラディシュと国境を接した西ベンガル州では、"ベンガル料理"とも呼ばれている。
ベジタリアンが多い南インドのレストランでは、ベジ(菜食)、ノンベジ(非菜食)のメニューに区別されて、海岸沿いでは、魚がよく食べられ、野菜や豆、またグリーンバナナのほか、ココナッツミルクが好まれる。
そんなインドでは伝統的なインド中南部に自生するカキノキ科に属する常緑のタンデュという木(黒檀科)の乾燥した葉で巻いたタバコを、食後に楽しむという。
手に取ってみると葉っぱで巻いてありさらにこれをさらに糸で縛ったタバコなのですから本当に葉巻?と言っても良いかもしれません。
食後にチャイなどと一緒に楽しみたいインドのちょっとピリっとする吸い味の小粋なシガリロである。