雨の多い英国では、「傘は、紳士の七つ道具」といわれている。
また、日本でも雨の多い北陸地方では「弁当忘れても、傘は忘れるな」という格言すらある。
ここでは、傘をステッキ代わりにしている欧米人のスタイリッシュなライフスタイルを紐解いてみたい。
ステッキは我々の生活の中の歴史でも古くから日用品として使われていることは、いうまでもないが、特にヨーロッパでは、高価なステッキはモダンな装飾品としても使われ、男性用・女性用、流行によっていろいろなデザインのステッキが社交会ではステッキは、ファッションの一つでもあった。
ここでは、エレガントでスタイリッシュなステッキをお目に掛けよう。
ステッキの魅力に惹きつけられる人は少なくありません。
欧米では、趣味としてまた、鑑賞用にと収集するなど古くから人気がある。
特にリビングの装飾品として、またはプレゼント用として現在でも多くの人の身近におかれて親しまれている。
豊富なデザイン、高級感、特殊な用途などさまざまな種類のヨーロッパのステッキは日本でも徐々に趣味の分野にまでも広まってきている。
「ステッキ」杖(つえ、Canes、Wand)とは、細長くまっすぐな、手で持つのに適した道具で、長くて自分の足の長さ程度のものをいう。
木製である場合が多いが、稀に象牙や金属で作られることもある。
英語における「Wand」は魔術などとのかかわりで伝説や物語に登場することが多く、元は農具だったともいわれている。
日本語での杖にはステッキ(stick)の意味も含まれる。
古いタロットカードの図柄に、杯、硬貨、剣と並んで杖がモチーフとして使われているが、それぞれに聖職者、商人、騎士、農夫を意味している。杖は、農夫の道具で、これで畑の土を掘り起こしていた。この杖、ワンドと呼ぶものは、現在のトランプでは「クラブ(クローバ)」に取って代られた。
また、この杖の現代における後身のひとつは、オーケストラの指揮者のタクトである。
国賓や皇族などを外国から招いたときに、儀仗隊の閲兵(栄誉礼受礼)などが行われるが、部隊を統率する士官が、象徴的な杖を手にして、統率する。メイス(mace、元は中世では敵のかぶとを叩き割るのに用いられた槌のこと)といわれるが、これも短い象徴的な装飾のある杖の一種で、中世のヨーロッパでは、君主や宗教的な指導者が、その権威の象徴として手にしたこともある。
ソースティン・ヴェブレンの『有閑階級の理論』では、必要もないのにこれ見よがしに手にする杖、ステッキを顕示的な消費として、無用なものに敢えて消費する例として引き合いに出された。